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Y&Mの近況報告です!
2021.09.12
ええっ? もう9月! しかももう12日! もうすぐお月見じゃない!と慌てて今年の中秋の名月はいつか調べてみたところ、21日、お彼岸のまっただ中でした。お月見団子にするか、それともおはぎにするか、迷ってしまいますよね。甘い物は続けて食べたくないし……
さてさて、大変にご無沙汰してしまいました。今日はヨシの近況も含めて、michikoから二人分の報告です。
7月の末からmichikoはヨシの山荘に出かけて、二週間一緒に過ごしました。リリーとアルバが遊びにきたので、またチーズケーキも焼きました。毎日夕方にはお散歩をして、それから夕食後はいつも一緒に映画を見ていました。実は、ヨシはけっこう怪獣映画が好きなのです。お正月は『ジョーズ』になんと三作も!付き合ってしまい、今回はハリウッドの『ゴジラ』の二作目を一緒に見ました。先日POD版が出たばかりの長編物語『水の惑星』第三部には、ゴジというミニ・ゴジラが出てきて盛んに愛嬌を振りまいているのですが、この子はどうも、ガネーシュがゴジラのフィギュアを基にしてゲームのキャラを開発中に、その3D画像が何らかの影響で疑似精霊化してしまったらしいのです。この第三部で起きる事件に次ぐ事件のスリルとサスペンスの底流には、四大と生き物をめぐるヨシの哲学がしみわたっています。Kindle版は現在michikoが校正中ですので、もうしばらくお待ち下さい。そうそう、今月最終回を迎える〈絵本の森〉物語も、ヨシの哲学のお話です。
とはいえ、ヨシは8月始めからずっと哲学エッセイに集中していて、夏休み中も毎日、朝から午後のお茶の時間までずっと仕事……そしてそれが、このところもずっと続いています。というわけで、下にヨシが書いてるようなオオルリ君たちの絵の紹介も、多分しばらくたってからということになるでしょう。
秋らしい青空が広がるようになった今日この頃、michikoもそろそろクハガタ兜の研究に一段落をつけて、新しい研究やエッセイにもとりかかろうかなと思っています。(michiko)
2021.07.16.
コロナ・ワクチンの第一回目の接種がようやく済みました。ロラとロルが次の日に訪ねてきたので、そのことを心配してくれたのかと思ったら、そうではなくて、例のインクの件でした。わたしのインク壷の残りを見ながら、ロルがこう切り出したのです。
「もうすこしだね。それ買い置きしてたホルベインの最後のでしょ。ペンでボクを描く。それから次が水彩だから、インクにじむと困るよね。ボクもびしょびしょはいやだよ。はずかしくてお外歩けないし。」
「うん。でもだいじょうぶだよ。にじまないインクをようやく見つけた。ペン画用じゃないけど。」
ロラはインク壷の中をじっとのぞきこんでいましたが、ぱっとひらめいたみたいです。
「おとなしい子ね。こっち見てるけど、なにも言わない。」
「だから黒いんだね。」
ロルものぞきこみます。これでわたしもひらめきました。つまり……顔料です。ペン画のインクというのは、顔料のつぶがとても大きいのです(ちょっと置くとペン先が固まるくらいです)。それでそのつぶつぶの「子」を見つけたのでしょうが、「おとなしい」というのはつまり……ひかりを出さない、照り返しがないということで、だから黒くなるわけで……
「それは知ってる。でも、いろっていろいろでしょ。まっくろけってかわいそう。」
ロラがまた同情したようにインク壷をのぞきこみます。それからわたしの描きかけの絵を見て、「あ、オオルリ君ね、もう最後のほうなの?」と聞きますので、うん、そうだよと答えました。
「で……これが新しいインク?」
ロラはもうめざとく、棚に置いたわたしの次のインクを見つけていました。
「証券用……どういう意味?」
ロルが聞きますので、それはお金の額や利子とかのことを書いた紙で、その紙に使うインクだと説明しました。
「でも……つぶつぶの子はいないね。」
ロルは不思議そうです。
「でもまっくろけ。つまんない。」
これはロラの感想です。それでわたしは、それは「染料インク」だから、つぶがずっと小さくて、きみたちひかりには液体としてしか反応しないと説明しました。
「ふうん、お金の額なんだ。だからにじまないようにするんだね。」
ロルは感心したようにいいます。するとロラがなかなか気のきいたことを言いました。
「お金ってすごく大切でしょ。たくさんあるとうれしなみだがぽとっとその『証券』に落ちるかもしれない。すくなすぎると、かなしくなって、やっぱりなみだ、ぽとっでしょ。だからにじまないようにしないといけないの。」
「そうだね、いまはだいたいしほんしゅぎだもんね。」
ロルはとくいそうに言います。ともかく二人は、わたしの難題が解決して、これからもにじまない姿で描いてもらえそうだというので安心したようでした。
これが今月の近況報告です。あ、いま描いているオオルリ君たちの絵については、また来月にでも紹介することにしましょう。それまでにはわたしの二回目の接種も無事終わっているはずです。
もう一言。
ワクチン接種に少しトラブルがあって、係の人に「わたしのような〇〇は、優先してもらえるはずですが……」と言おうとして、その〇〇がどうしても出てこないので困りました。つまり……どうやらわたしには「老人」という自覚がひじょうにとぼしいようです。
今月はここまで。(Yoshi)
2021.07.02.
もう七月ですね。新しい月が始まると、michikoはさっそく〈絵本の森〉物語の朗読の準備に入ります。いつも楽しみにしていて、今度こそもっとうまく!と意気込むのですが、いざ録音となると、声がどうももう一つすっきりしないな、ちょっと濁ってるな、と感じることが多いのは、毎度のことながら残念。歌が大好きで、四六時中歌っていたのはもうはるか昔のこと……今は昔……と感慨にふけっていても仕方がないし、そんな暇もないし……ま、いいか、また次回に期待することにして、今日はこんなところで……と、わが声ばかりか、一緒にお茶も濁しています。でも将来はヨシの本の朗読も、と夢は広がるばかり。ヨシもすごく乗り気になっています。最初はやっぱり『クラとホシとマル』からかな?
それから、michiko の部屋の「決闘の図像学」も(2)をアップしました。ホシくんが鉢巻きに挟んだ二本の角はいったい何を意味するのか? そのルーツをめぐって、壮大かつ奇想天外な探索を続けていますので、ご笑覧下さい。(michiko)
2021.06.13.
今月は次回分のHPの挿絵絵付けをずっとやっていました。だいたい完成です。次回のHPは、ロラとロルが日本の神様を探しに出かけるというお話を軸にしてみました。はたして神様は見つかるでしょうか。楽しみにしていて下さい。だいたい今秋からの連載になると思います。みっちゃんも、朗読また頑張ってくれるみたいです。
それで作業中にいかにも「現代」だと思うことが起きました。ペン画用のインクが販売中止になってしまったのです。これはペン画淡彩でやっているわたしには大事件ですが、考えてみると、もうペン自体、旧石器なのかもしれません。ともかく備蓄を細々使っていくしかない、あわれな状態です。なんだか農耕に乗り遅れた狩猟採集民のような(笑)。次回までにはなんとか解決の手段を見つけたいと思います。(Yoshi)
2021.05.20.
今の〈絵本の森〉物語は今秋くらいで終わりますので、現在、次回分を制作中です。テーマはアニミズムの中核である〈神様〉のイメージに設定しています。でもストレートに〈神学〉というと、わたし自身「ひけて」しまうので、もっと楽しいエッセイ調で思いつくことをつづっていければと考えています。現在テクストの仕上げ段階で、続いて挿絵の作業に入る予定です。(Yoshi)
2021.05.19.
こんにちは。さきほど『水の惑星』第二部のPOD版とkindle版の編集・校正作業を終えて、いよいよ第三部の提出原稿のチェックにとりかかったところです。この長いお話は、ゆるやかな助走から始まり、徐々に速度を上げて、第三部では一つのクライマックスを迎えることになります。どうぞお楽しみに。(michiko)
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