Altun Ha アルトゥン・ハ 遺跡

遺構解説(A1)

 アルトゥン・ハで最も構造解明が難しかった建物である。というのも、何度も改修が行われ、隣り合う建物を吸収するような形で拡大していったからである。現在目にすることができる建物は、その最終段階であり、残っている部分で、奥行34メートル、幅47メートルほど、また広場からの高さは約14.5メートルほどである。したがって内部を掘れば古い時期の建物が現れることになる。その建築活動は大きく3時期に分かれる。最も古い時期の建物は部分的にしか確認されていないが、規模は小さく、その分だけ広場の占める割合が大きかった。2番目の時期は、現在残っている建物の原型が完成した時期であり、2段の基壇と中央の階段が作られた。しかし最上段に何があったかはわからない。3時期目は、2番目の時期の建物の背面(西側)を除く3方向を拡大した時期にあたる。細かく5つに細分されているが、こうした改修の過程で、北側に位置するA-9や南に位置するA-2の建物を合体させ拡大していった(図4)。しかし高さは拡張とは関係なく、ほぼ同じ高さを保っていたようだ。また改修に際しては、さまざまな儀式が執り行われたと考えられ、新設の階段や基壇の下には、前の建築をくり貫くようにして墓や奉納品を安置する場所を設けている。多数の翡翠、貝の装飾品、土器が出土している。土器の形式から判断すると、2時期目の最初の建築活動に伴う墓が後500年頃、その後作られた墓が後550年頃と判断されている。古典期前期にあたる。


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