Caracol ラマナイ

遺構解説 遺構B19と20(カアナ神殿)頂上部

 中心的建物B19の階段途中には、マヤ特有の張り出し部があり、その中から石製の祭壇(アルタル16)が出土している。後830年を示す。またこの建物の下には、もう一つ前の時期の建物が埋まっており、墓室も見つかっている。墓室の北壁には、マヤ文字が記されていた。後634年と解読されている。被葬者は成人女性であり、歯に穴が開けられ、翡翠片がはめ込まれていた。また副葬品として8点の土器も見つかっている。カラコルにおける重要な地位を占めていた女性であったと思われる。

 遺構B20の下にも一時期前の建物が埋まっており、墓が3つあることがわかっているが、いずれも盗掘によって甚大な破壊を受けている。墓室に記された文字も部分的にしか残っていない。それでも一番奥の墓室の文字は最も保存がよく、後615年か後576年と読める。この古い時期の建物の正面階段は、現在地表下に埋もれているが、階段の中央の突出部分に、3メートルもの高さのレリーフが認められた。地下界の太陽神の顔、それも頭骸骨を表していると考えられ、ティカル遺跡にも似たものがある。しかしB20の場合、この神の口の中から、実際に人間の骨、しかも部分的に焼かれた骨が発見されている。人身供儀が執り行われたのであろう。東側の建物の基部に表現された地下界の神は、そこから太陽が上ることを示すと同時に、文字通り3つの墓を飲み込んだ死の世界を象徴している。


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