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遺構解説 遺構A6(まぐさの神殿)

 広場Aの東に横たわる巨大な基壇の中心に位置する。3つの続き部屋が一直線に並び、中央部屋にのみ西を向いた出入口が設けられている。そこから西に向かって下りていく階段のステップではウミギク貝が発見されている。階段の下には古い階段が埋もれており、都合4回の改築が行われたことがわかる。中央の入り口の東側と階段最上段の東部分の発掘でも、5枚の床面が確認され、改修があったことは間違いない。最も下の床面からさらに1.5メートル下には、3つの石で蓋をされた空間が発見されている。この中には、蓋付きの甕が据えられ、甕の中には、ウミギク貝を含む自然の貝のほか、貝や翡翠の装飾品、大量のマラカイト、赤鉄鉱製の鏡、さらにカボチャの種、魚の骨、エイの棘、サメの歯、珊瑚、海藻、松葉などが納められていた。炭化物を年代測定にかけたところ、1980年前と1920年前という値が出た。これは先古典期の後期(原古典期)にあたる。

 遺構A5は、A4、6、7、8の遺構群と共通の基部をもつ。チャイスらの調査当時、すでに盗掘によって荒らされていたが、頂上部の構造物の下から古い階段が発見された。この階段は西向きに作られていた。現在のA5自体は東を向いているので、建造物の軸の変化があったことがわかる。出土する土器から判断すると、いずれも古典期前期にあたる。頂上部の構造物は縦に並んだ2部屋からなり、奥の部屋の床はやや高い。手前の部屋には、東西に走る壁とそれに付随するベンチが最終的に取り付けられ、改修の手が加えられている。


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