マヤ神殿
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    マヤからの報告1(深沢)

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    マヤ文献

    CD−ROM
    『マヤ神殿とその壁面装飾』
  • 第1巻(プウク篇)
  • 第2巻(ベリーズ篇)
  • 第3巻(ペテン篇)

  • クエージョ遺跡
    Cuello(1200BC〜300AD), Belize



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    ベリーズ北部の町オレンジ・ウォークの西に5キロほどいったところにある遺跡である。周囲は、なだらかな起伏に富んだ景観を見せている。200以上の構造物が確認されているが、小高い自然の地形を利用しているものが多い。この遺跡では、1975年から1980年、そして1987年にもノーマン・ハモンドらによって発掘がおこなわれ、立派な報告書も出版されている。しかし、発掘された部分は、全体からすると、ごく一部分でしかなく、今後の調査が待たれる。にもかかわらず、この遺跡がマヤ考古学の中に占める位置が大きいとされるのには理由がある。それは、ここが先古典期にさかのぼる時代から古代マヤ人によって利用され、マヤ文明の起源を探る鍵を握っている遺跡と考えられているからである。

     放射性炭素14年代測定法によって、一時は前2500年頃よりこの地が利用されたと考えられていたが、最近では前1200年頃、すなわち先古典期中期頃にその利用が始まったと修正されている。いずれにしても、1970年代までは、低地マヤには前1000年を越えるような古い遺跡は存在せず、その後の古典期に見られるマヤ低地の文化的な発展は、すでに成熟していたメソアメリカ西部の文化(テオティワカンなど)から刺激を受けて成立したのだという見方が大半であったことを思い出すと、確かにマヤ文明の起源論に一石を投じた遺跡といえよう。

     発掘は、古典期の建築が集中する部分(マウンドの森)の南西300メートルにある、調査者が遺構34と名付けた基壇と、基壇の西端に立つ小型のピラミッド(遺構350)に集中して行われた。深く掘り下げられた発掘区からは、基壇やピラミッドが建てられる前の時期の建築がいくつか確認された。初期の遺構はいずれも住居と考えられ、これらが時代を経るにつれて、次第にエリートが使用した儀礼的な空間へと変化していく様子が明らかになった。基壇や遺構350のピラミッドは、先古典期後期の前300〜前400年に建てられたものと判断された。これと相呼応するかのように、埋葬の形態、副葬品のデータは、前400年頃から階層化が生じ、奉納物を納める穴が増えるのが前100年頃であることを示している。

     またクエージョのプロジェクトは、様々な分野の専門家を抱えた総合的な内容を持つことでも知られ、とくに土壌中にある肉眼では判断できない植物遺残が多数析出され、トウモロコシやカボチャが早くから登場すること、カカオ豆や綿が前400年頃には重要な作物であったことなどが明らかにされた。また陸生の軟体動物(カタツムリなど)や鹿も重要なタンパク源となっていたようだ。

     こうした環境の下に、当時生活をしていた人々はどのくらいいたのであろうか。従来は、どちらかというと目立つピラミッドなどの大型建造物の大きさや量から人口が推定されてきた。しかしクエージョの発掘で明らかになったように、一般の人々の住居には、壊れやすい一時的な利用に耐える程度の建材が用いられ、しかも目立つピラミッドやマウンドから離れた、目に触れにくい部分に集中している。クエージョの調査者達は、一つの試みとして、土器や石器の量と分布をもとに、最盛期(先古典期後期)には3000人の住民が暮らしていたと算出している。これは通常の試算の4,5倍の値なので、にわかには受け入れがたい。

    遺構解説
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