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更新日:2022年10月26日

 自己紹介

 ホシくん 賛(1)

 ホシくん 賛(2)

 招かれざる同居者
 または時季外れの怪談


 アシダカちゃんの失踪

 決闘の図像学(1)

 決闘の図像学(2)

 決闘の図像学(3)
 クハガタ兜の由来


 決闘の図像学(4)
 クハガタ――記憶の断絶


 三月は雛の月(その一)
  michikoのお雛さま


 三月は雛の月(その二)
  雛祭りの苦い思い出


 もう6月……
  久しぶりの共同生活(1)


 もう7月……今日は七夕
  久しぶりの共同生活(2)


 もう9月も半ば……
 山荘で見た映画の話(1)


 もう10月も半ばすぎ……
 山荘で見た映画の話(2-1)


 10月もそろそろ終わり
 山荘で見た映画の話(2-2)



michikoの部屋


 もう7月……久しぶりの共同生活(2)

 なんだかバタバタしているうちに、もう6月に入りました。しかも、もう10日過ぎ!
中国本家本元の牽牛・織姫(頤和園、19世紀)
 先回こんな書き出しで「もう6月……」をアップしたときには、6月中、せめて月末には、その続きを書くつもりでいました。その「つもり」はまたしても「つもり」のままで終わり、ええっ、もう7月!と思っている間に早くも7日、ジャーーーン!(あはは、音入りです)、今日は七夕ですね。今のところけっこう晴れているので、天の川をはさんだ彦星と織姫を見ることができるかどうか……天気予報には夜になると「曇り」と出ているので、今年も怪しいかも……でも夜になったら、ベランダから東の空をしばらく眺めて探してみたいと思います。やはり街中は夜でも明るいので、本当はYoshiの山荘でリリーやキビオたちも呼んで、一緒に見るのが一番いいのですが……その後でまた夏の果物を食べながらお茶するのも楽しいし……でも、夏休みに入る前のこの時期はなかなか山荘に出かけられないのです。
2022年7月7日午後の天気図
 毎年思うのですが、この七夕の頃って、星を観測するのはけっこう難しい時期ですね。日本列島は梅雨の真っ最中というのが普通ですし、その梅雨期すら、この頃急速に進んでいる地球温暖化の影響で、予測不可能なことも増えています。今年の梅雨入りはでも例年並みで、本州の多くの地域で6月14日、ところが梅雨明けは異常に早くて6月27日でした。それからはもう本州のみならず北海道まで巻き込む酷暑の毎日。日々最高気温を更新してましたね。michikoは元々最低気温・最高気温というのが大好きで、一日が終わると必ず今日の最高気温は?最低気温は?とネットでチェック。
かんれー男君にラブコールを送る
「細長いあの子」(Yoshi画)
  Yoshiからはいつも、「みっちゃんの脇腹にはメモリが付いてるんじゃない?」と言われて、細長い温度計が変身した女の子(「細長いあの子」という名前で呼ばれています)がYoshiのイメージするmichikoの真の姿なのですが、この数日間は連日の記録更新に驚喜しながら、なおかつ暑さに喘いでいました。エアコンがあまり効かないのです。で、モニタの前で、首にタオルを巻いていても机の上にぽたぽた落ちる汗をティッシュで拭い、冷たいお茶をすすりながら、今日はどこまで上がるかと午後には時間刻みのチェックを怠りませんでした。最高記録を更新するのでは?と前日に予想されたその当日は、結局38.5度にとどまり、期待を大きく裏切られたのですが、その翌日からはこの暑さが一段落して今度は「戻り梅雨」とか……それが今日、7月7日は午後からかなりよく晴れて、開け放した窓からは気持ちのいい風が通って、快適です。梅雨明けの七夕というのは少ないですが、今夜は本当に織姫と彦星が見えるかもしれません。
 さて、前置きが長くなりすぎて、本題がなんだったのか、michikoも忘れかけてしまいましたが、先回の予告では、この2月から3ヶ月あまり一緒に過ごしたYoshiとの共同生活で楽しかった面、「お茶と散歩」についてお話ししたいと書きました。
 そこで今日はまず、お茶の話です。
 
一日の始まりはたっぷりの紅茶から
Yoshiの一日はお茶で始まります。起きるといつも(いつ起きるかはその日によって違うので、「毎朝起きると」と言うわけにはいかないのですが)、まず紅茶を入れてレモンティーをたっぷり作ります。それからリンゴをむいて、他の季節の果物と一緒にお皿に盛り、ヨーグルトもカップに入れて、お盆に乗せてモニタの前に運びます。これは山荘にいるときも同じで、michikoのレモンティーもティーカップに用意してくれます。果物も少し取り分けて小皿に乗せてあります。とはいえ、起きる時間が合わないことが多いので、michikoが飲みたいときはたいてい冷めていて、レンジで温めてから飲んでいます。Yoshiの体内時計は(本人が申すところでは)1日26時間くらだそうなので、一緒にどこかへ出かけるときに調整が必要なのはいつもYoshiの方です。といっても、michikoも一般常識からすると決して規則正しい生活をしているわけではありません。かなりの宵っ張りで、翌朝早く出かける用事がないときはいつも10時ごろに起き、夜は3時ごろに休むことが多いのですが、でも内心は、1日24時間しかないなんてちょっと短すぎない?と不満を抱えていて、どうしようもない現実に仕方なく従っているというのが正直なところかもしれません。
さまざまな紅茶
 で、何が言いたいのかというと、Yoshiはとにかくお茶が大好きだと言うことです。紅茶も色々な種類がありますが、大抵はセイロンのブレンドかイングリッシュブレックファストティーの交替ですが、ダージリンもアールグレイも、時にはレディグレイも飲みます。中国茶も好きで、以前は知人から頂くことが多かったこともあり、ジャスミン茶、黄茶、高山茶、プーアル茶などいろいろ楽しんでいました。でも、起きてすぐに飲むのはいつも紅茶と決まっています。
天下一品、Yoshiの緑茶
 そしてもちろん日本の緑茶(深蒸し茶)も大好きで、これはもっぱらブレイクのときです。そしてそのいれ方は実に念が入っているのです。もちろん、日本茶をおいしく入れるのはなかなか難しく、その要はお湯の温度だということもよく知られていますが、この最適の温度にYoshiはものすごく敏感で、しかも大変に忍耐強いのです。だから二番茶も三番茶もおいしく入れてくれます。Yoshiを長年観察してきたmichikoとしては、日常的な行動に関して決して気が長いとは言えないのに、どうして緑茶を入れるときだけはこんなに集中して待てるのだろうと、この3ヶ月あまり、しばしば感心したものでした。「みっちゃん、これから緑茶入れるけど、飲む?」と聞かれると、もう口のなかにそのとろっとした味わいが思い浮かんで、「もちろん!」と二つ返事で答えるのですが、実際にそのきれいな緑色のお茶がmichikoの目の前に差し出されるまでの間、Yoshiは窓際の机とキッチンの間を何度か往復してお湯の頃合いを見定めています。なかなかのプロ根性(ん?Yoshiって何してる人?)と言うか、肝の据わり方と言うか(あはは)、ともかく慌てず騒がず、じっくり待つ覚悟ができているなと感心したものでした。
定番おやつ、黒糖かりんとう
 このすばらしい緑茶のお茶請けはというと、何を隠そう、大抵は駄菓子で、生協のコインおやつの黒糖かりんとうとか芋けんぴ。甘味だけではなく塩味の黒豆せんべいも今回は新たに加わって、お腹抑えにもなるので毎日登場していました。michikoはずっと前からこれが好きなのですが、大分以前、Yoshiにも勧めてみたところ、一口食べて「なんか田舎っぽいね」とバカにされたことがあるので、それ以来ひとりでひっそり食べていました。それが今ではYoshiの大好物にもなって、最近は山荘に何か送るときには「ご要望に応じて」必ず一緒に入れるほどです。
Yoshiが目ざとく見つけた水まんじゅう
つるん、ぷるん、おいしかった!
  とはいえ、前日一緒に買い物に行ったときには、このお茶請けに普段とは違うものが並びます。michikoはいつもレジの前に進んで初めて、知らない間にYoshiが澄ました顔で籠に入れていた和菓子やデザート類に気づくのですが、おいしくて甘くてわりと安いものを見つけるのがYoshiの得意技なのです。ええっ、いつの間にこんなの買ったの?どこにあったの?と目を丸くして聞いても笑って答えないので、次に一人で買い物に行ったときには、すっかり探偵気分になってその場所を突き止めるのが習慣になりました。大きなスーパーなので、michikoがいつもの買い物をしている間にカートを押して歩き回り、おいしそうなものを目ざとく見つけては籠に入れる、これがとても楽しみなようでした。michikoもなんだかにんまりして、翌日の緑茶のティータイムが楽しみになる……これも今回の共同生活の新しい発見でした。
おいしいドリップコーヒー
 こんなに気長に緑茶を入れるYoshiなのですが、コーヒーはどんなにmichikoが説明してもおいしく入れられません。だから一緒にいるときにコーヒーを入れるのはmichikoの担当で、Yoshiはコーヒーが飲みたくなると、「みっちゃん、悪いけど入れてくれる?」と頼みます。michiko定番の自家製お菓子、乳製品をたくさん使ったベイクドチーズケーキやシュトレンはなんと言ってもコーヒーが合いますし、少し頭をはっきりさせたいときにもコーヒーは定番。michikoは学生の頃から毎日コーヒーを飲む習慣ができて、しばらくはミルで豆を挽いて飲んでいましたが、仕事をするようになってからは挽いた豆に切り替えました。最初に少しの熱湯で豆全体を湿らせて膨らませ、30秒ほど待ってからお湯を少しずつ、クリーミーな泡の立ち方を確認しながらドリップのまん中から何回かに分けて入れていくという工程だけはしっかり守っているので、日によって少々味の違いはありますが、いつもおいしく入ります。
 ところが大変不思議なことに、Yoshiはなぜかこの行程が守れないらしく、おいしく入らないのです。今まで何度も、michikoの入れ方を自分から見に来て、最初に入れるお湯の量や豆の膨らみ具合、そのあと少し間をおいてからのお湯の注ぎ方、豆の泡立ち方を逐一観察しているのに……とにかく、どういうわけなのかコーヒーを入れるのは苦手です。毎日たっぷりマグカップ一杯欠かさず飲んでも特に体調に支障のないmichikoと違って、Yoshiは毎日は飲めないようなので、さあ今日もおいしいコーヒーを入れるぞ!というその気迫の違いが、おのずと味に影響してしまうのかもしれません。といって、Yoshiもおいしいコーヒーを飲みたいという点ではけっこう思い入れはあるのですが……

自家製シュトレン(とそっくりのwikiの写真)
 この冬はとても寒かったこともあって、キリスト教徒ではないわたしたちは2月末になってからもシュトレンを焼いて楽しみました。ざくざくフィリングを入れて、まん中にアーモンドのマジパンをくるんで焼いた大きなシュトレン。これを薄く切って、コーヒーと一緒に「おいしいねっ」と言い交わしながら食べるのは、とっても幸せな気分でした。

 完全に日が暮れてから、ベランダから東の空をオペラグラスでのぞいてみましたが、残念ながら7時ごろまでは晴れていた空に薄雲がかかってしまい、今年も彦星と織姫には会えませんでした……まあ、ここからは見えなくても、二人は一年に一度きりのランデブーを楽しんだことでしょう。あんまり注目されないほうが、かえって幸せかもしれませんね……




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